リクSS”早霖”…かこれ?

 大変お待たせしました。さなスイさんのリクで早霖SSです。

 もう先週中にはupする予定だったのに遅くなってしまい申し訳ありません。

 早霖は個人的に結構好きなカプなんですが、これ早霖っていっていいのかな……。

 まあ、とりあえず前置きはこれぐらいにしてどうぞ読んでみてください。

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・早霖SS

 霖之助はその日、久々に無縁塚にお宝探しに行っていた。当初の予定では昼過ぎぐらいまでには帰る予定でいたのだが、なんだかんだとしているうちに思っていた以上に時間が経っていたようだ。香霖堂に帰ってきたころには空は茜色のきれいな夕焼けに染まっていた。

 店の中に入ると背負っていた今日の収穫を床に降ろす。時間をかけただけあって今日の収穫は良好でった。そのせいで、思った以上に荷物が多くなり持ち帰るのに苦労したが、うれしい悲鳴といったところだろう。肩を回して疲れを和らげながら、一息入れていると店の奥からパタパタと足音が近づいてきた。

「おかえりなさい霖之助さん」

「ただいま早苗」

 店の奥から霖之助を出迎えに出てきたのは守矢神社の巫女、東風谷 早苗だった。奥で料理でもしていたのか、早苗はいつもの巫女服姿の上にエプロンをつけている。

「すまない、少々帰るのが遅くなってしまった。留守番中に何かあ

ったかい?」

「いいえ、何もなかったですよ」

 店内を見渡すが確かに朝出たときと変化は見られない。いや、正確には変化はあった。おそらく早苗が掃除や片づけをしてくれたのだろう、カウンターの上や棚がきちんと整えられているし、店の端や窓枠、棚の上などに溜まっていた埃も綺麗に掃除されていた。

「掃除までしてくれたのか、ありがとう」

「気にしないでください。収穫はどうでした?」

「なかなかのものだよ」

 霖之助は持ち帰ってきた今日の収穫を早苗に見せた。大小さまざまな箱状の機械や、形も色彩も様々なのに同じ名前を持つ道具など、他の人たちから見たらガラクタといいそうなものだが、これはすべて外の世界で作られた道具の数々だ。使い方がわからないだけで、決してガラクタなどではないと霖之助は思っているのだが、残念ながら理解してくれる者は少ない。前に魔理沙に見せたときには、使えないんじゃ結局はガラクタじゃないかと言われたこともあった。

「え~と、CDラジカセに携帯ラジオ、VHSテープ……ずいぶんと外の世界でも古いものばかりですね」

「そうなのか? まあいい、後でこれらの使い方を教えてくれ」

 霖之助にとって外の世界から来たという早苗の知識はとても重要なものである。なにせ霖之助の能力で判るのは名前と用途だけ、つまり肝心の使い方が判らないのだ。ゆえにその使い方を知っている早苗の知識は、霖之助にとってとてもありがたかった。

「いいですけど、もう少しで夕飯の準備が出来ますから食べ終わってからにしましょう。お風呂の準備が出来てますから夕飯の前に入

ってしまっては?」

「ああ、そうさせてもらうかな。さすがに汗とか土が体についたまま食事をいただくのもあれだしね」

「どうせだから、お背中でもお流ししましょうか?」

「いや、さすがにそこまでしてもらわなくていいよ」

 はははと笑いながら風呂場に向かう霖之助を横に、早苗はとても残念そうな顔をしていた。

 霖之助が風呂から戻るとすでに食事の用意がしてあった。机の上にはご飯に味噌汁、焼き魚にサラダ、付け合せの漬物等が霖之助と早苗の二人分用意されて、早苗が席について待っている。

「お湯加減いかがでしたか?」

「ああ、丁度よかったよ。 おいしそうな夕飯だね。でも、家には魚も野菜もなかったと思うが?」

 妖怪と人間のハーフであるためか、霖之助は人間が生きるために必要とする栄養補給、つまり食事を必要としないのだ。彼にとって食べるというものは完全に趣味、娯楽の領域にあるものであり、それ故に常備してある食料は保存の利く物意外は酒とその肴ぐらいのものである。だから魚などの生ものや野菜は基本的には置いてないのだが、今食卓に並んでいるのは明らかにそれだった。

「神社から持ってきたんです。昨日人から大量にいただいたのがあったので」

「そうなのか、わざわざすまないな」

 どうやら早苗が持ってきたものらしい。

「ささ、どうぞ冷めちゃう前に食べてください」

「じゃあ、いただくとするか」

 席に着き焼き魚に箸をつけ口に運ぶ。心地よいうまみが口の中に広がる、味付けも焼き加減もバッチリだ。

「どうですか?」

「ああ、おいしいよ」

 サラダも味噌汁もなかなかの出来だった。霖之助は今まで何度か早苗の作った料理を食べていたが、しだいに段々腕が上がっている気がする。腕自体もあがっているのだろうが、何よりも段々と霖之助は早苗の料理に惹かれる物を感じていた。なんというのだろう、好みの味というのが一番正しいだろうか。

「ふむ、君は料理が上手なんだな。おいしくて、ついつい食べ過ぎ

てしまいそうだ」

「そんな、褒めすぎですよ」

「特にこの味噌汁なんて、毎日でも飲みたいぐらいだよ」

「ふぇっ!?」

 霖之助の何気ない一言で早苗の顔が茹蛸のように赤くなる。

「ん、どうしたんだい?」

「ああ、あの霖之助さん、それっていわゆるプロ、プロポ……」

「? もちろんさっきのは単なる冗談だから気にしないでくれ」

「ははは……ですよ、ね。あはは、はぁ~、一人で舞い上がってバカみたい」

「毎日なんていったら君に迷惑がかかるだろうからね。でもたまに作ってくれると嬉いかな」

「……あの、もしかしてわかっててやってます?」

 無論、霖之助は本心から言ってただけで特に意味があったわけではなかったが、それはそれで始末が悪いと言うものだろう。他の人が聞けば100人中100人が告白と勘違いしそうな言葉を、さらっと口にしてしまうというのだから。

「でも私は霖之助さんさえよければ毎日ご飯を作ったり、お掃除したり……」

「いやそれはさすがに悪いだろう」

「全然大丈夫です」

”大丈夫って、神社の仕事はどうするつもりなんだ”

 最近は本当に早苗が週に何回も朝から晩まで店にいるので、霖之助はそのことが心配だった。来てくれるの自体はありがたいとは思っている、掃除等の家事をやってくれるし店の手伝いもよくしてくれて助かるのだから。でもあくまで早苗の本業は巫女である。やること自体は色々とあるはずだが、毎日店に来ていて家の者に何も言われていないのか、それだけが気がかりだった。

「霖之助さん、ご飯のお代わりはいかがですか?」

「ああ、お願いするよ」

 だが、そんな霖之助の心配を余所に早苗は楽しそうに霖之助から受け取った茶碗にご飯を山盛りに盛っていく。

 霖之助や早苗がどう思っているかはしらないが、二人の光景ははたから見るとまるで恋人というか、結婚したてで幸せいっぱいの新婚夫婦のようであった。そんな微笑ましい光景とは裏腹に二人のすぐそばではドス黒いオ~ラが漂わせながらその様子を恐ろしい目つきで見つめる4つの瞳があった。

片方は黒と白の服装で三角帽子のいかにも魔法使いといった容姿の小女、もう一人は赤と白の変わった形の巫女服で頭にリボンをした小女。普通の魔法使い霧雨 魔理沙、楽園の巫女博霊 霊夢である。二人の目は憎しみ、怒り、嫉妬といったどす黒い炎で燃え上がっており、その視線の先には店内で霖之助と一緒に仲睦まじく食事をしている早苗に向けられていた。二人の不機嫌な理由は当然ながら早苗が霖之助と二人でラブラブな空間を作り出していることだ。

「早苗ったら、ずいぶんと見せ付けてくれるわね」

「てか、通い妻は私のポジションだったんだぜ。それをいきなり横から奪いやがって」

「霖之助さんも、霖之助さんよ掃除とかご飯とかに釣られちゃって、なさけない」

 正確には釣られていないのだが、連日通い妻のように店に来ては家事をして、二人でいい感じの空気を作り出してるのを、はたから見ている側からしたら完全に釣られるように見えてしまう、というか見えないほうがおかしいだろう。

「ていうか、私が料理とか作ってもあんな雰囲気なんないんだけど、どういうこと。なに、胸? 胸だっての?」

「香霖のやつ、そんなに大きい胸がいいってのかよ。私だって早苗ほどじゃなくても胸はあるっつうのに。将来的には早苗なんか足元にも及ばないほど大きく」

「はっ、魔理沙のどこに胸があるっていうのよ。どう見てもまな板と大差ないじゃない」

「お前が人のこと言えた体格かよ。それに少なくともお前よりはあると思うぜ」

「どんぐりの背比べって言葉知らないの魔理沙。それに私よりも大きいなんて聞き捨てならないわね。いい機会だし白黒はっきりさせましょうか?」

 早苗のことなんて忘れて、今にもお互いにつかみかかりそうな雰囲気だ。妙な緊迫感があたり一帯に広がり、今まさに戦いが始まろうかと……

「あ、こぼしちゃいました、ドレッシングが胸に」

 店内から聞こえた声に一気に緊迫した空気が霧散する。中をのぞけば、服の胸元を拭いている早苗が見える。どうやらサラダが胸に落ちてドレッシングが服についたようだ。その光景を見て二人はお互いに自分の胸元を見下ろす。二人とも落とした食べ物を胸が受け止めたことなどない。

「人生って不平等よね」

「ああ、憎たらしいくらいにな」

 もう、先ほどまでの互いへの怒りなどなくなっていた。今は目の前の雑魚より、ボスを叩くのが先と互いが互いの中で結論付けたのだ。

 そもそも、霖之助の早苗に対する態度が二人と違うのは単に二人に日ごろの行いのせいなだけなのだが、二人がそれを知る由もなかった。

「てか早苗の野郎、ガンガン攻めてきやがるな」

「完全に落とすツモリがバリバリみたいね。って、あ~っ! 見て魔理沙、早苗ったら霖之助のほっぺに付いたご飯をとってそれをそのまま自分の口に……」

「んだよ、私なんてあんなシチュエーションになったこともないぞ」

 それに関してはただたんに霖之助のほっぺについたご飯を取るというよりも、霖之助にご飯を取ってもらう側だからである。

「あんたのことは別にどうでもいいんだけどさ……魔理沙は許せるあの子?」

「許せるわけないだろ」

「もうさ、こうなったらこうキュ~ッとやっちゃわない? 帰り道で闇討ちでもしてさ」

「ああ、いいなそれ。 後ろからなんか硬いものででも殴ればしばらくで歩けないようになるだろうしな」

 もはや完全に八つ当たりというか、ただの憂さ晴らしにしか聞こえないが、彼女たち自身は当然そのことに疑問を抱くことなどない

。ちなみにこの時の二人の顔は、今までに見たことがないほど禍々しいものだった。

「霖之助さん、これもおいしいですよ。はい、あ~ん」

「「……」」

 そうこうしているうちに店内では、早苗が更なる二人だけのラブラブワールドを作り上げていた。笑顔で箸を突きつけてくる早苗に霖之助は最初ほど困り顔を浮かべていたものの、最終的には少し恥ずかしがりながらもそれを口にする。早苗はそれに気をよくすると、次はこれをどうぞと次々と料理を自分の箸で霖之助に食べさせていく。その光景はもはや新婚というよりはただのバカップルの粋である。

「なぁ霊夢、もう帰り道とか言わず今すぐつぶさないか?」

「ええ、よくってよ魔理沙。ついでだからなんだかんだで鼻の下伸ばしてる霖之助も教育してあげましょうか」

「OK。 んじゃ、いくか」

「「まてぇぇぇぇいっ!」」

 暴走し始める二人を静止するかのように二つの声が割って入った。何奴っ?と二人が声に振り向くと……

「人の恋路を邪魔する悪の企み許しておけぬ、恋する少女(早苗限定)の味方、ジャスティス仮面フロッグ参上っ!」

「同じくキャノン参上!」

「んだよ、諏訪子に神奈子か」

「何してんのよあんたら。そんな変な格好で」

 守矢一家の残りの二人、洩矢 諏訪子に八坂 神奈子が仁王立ちしていた。それだけなら別にどうということもないのだが、二人はなぜかいつもの服装ではなく、全身タイツといういでたちでそこにいた。

「黙りなさい、早苗の邪魔……もとい恋する少女の邪魔はさせないわよ」

「邪魔しようってわけ? てかあんたらの大切な早苗に悪い虫がつこうとしているのよ、いいの?」

「愚問ね、あの子が幸せならそれが一番よ。ね、諏訪子」

「うん。ま、ぶっちゃけ神社の跡取りも欲しいしね」

「本音はそれかよ」

「というわけで邪魔はさせないよ」

「はっ、立ちふさがるんなら倒していくだけだぜ」

 どちらが動くのが早かったか、嫉妬に狂った二人の少女と二人の神との戦いが始まった。それぞれの弾幕が香霖堂の夜空を覆い、爆音や轟音が周囲に響き渡る。

「なんだか外が騒がしくないか?」

外で何がおきているか知るはずもない霖之助は、外から聞こえる轟音と窓から入ってくる閃光に眉をひそめ、何がおきているのか確かめようと立ち上がろうとするがそのつど早苗が“まあまあ、気にしなくても大丈夫ですよ”といいながら料理を自分の箸で食べさせようとしてくる。

「きっと正義の味方が人の幸せを壊そうとする悪と戦っているんですよ」

「なんだそれ?」

「あ、これもおいしいんですよ。はい、あ~ん」

 結果をいえば、外の争いは夜通し行われることになり、そのため早苗は霖之助に危険だからといわれて香霖堂に一泊することになるのだが、それが後々新たな争いの火種になることは言うまでもない。

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 はい、というわけでいかがでしたでしょうか。早霖という言葉で最初に浮かんだのが魔理沙から通い妻の称号を奪った光景だったのでそんな感じにしてみました。最初は早霖でラブラブ系をかきたかったんですが結局はギャグ路線になってしまいました。

 う~砂糖を吐くくらいのレベルのSS書きたいけど、書くの苦手なんですよね(大好きなんですけどね)。もっと練習せねば……。

 さなスイさん、期待してたのと違ってたらすみません。もしこんなシチュ読みたいとかあったらコメくれればそれで早霖もう1つ書きます。さと霖はもう少々お待ちくださいなるべく間を空けずにupできるようがんばりますです。

 

 ※一応SSのリクは常時どんどん受け付けてます。ただ、まとまった作業時間がなかなか取れないのでupは遅くなっちゃいますがそこはご勘弁を。リクの際は新しい日記にでもコメしてください。

カテゴリー: 小説 — yakai 15:41  コメント (1)
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1件のコメント »
  1. どうもさなスイです。

    いえいえこんな展開の話も好きですよ
    霊夢と魔理沙の嫉妬も可愛らしいです。
    非常にニヤニヤして読ませて頂きました。

    しかしこのカプはやっぱりいいですね~

    しかももう一つのさと霖も書いていただけるとか。
    楽しみに待ってます!

    それではこれからも頑張って下さい。

    コメント by さなスイ — 2010年2月28日 21:44
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