どうも~、先週中にあげるはずがなんだかんだで今日になっちゃいました。リクしてくださったさなスイさん大変申し訳ありません。
とりあえずさと霖SSどうぞ~
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いつ頃からだろうか、気がついたらここに来るのが日課になっていた。古明地 さとりは香霖堂の入口に立ちながらそんなことを想う。最初にこの店の扉を開けたのは、一言で言うと“好奇心”といったところだろうか。霊夢や魔理沙達の会話に出てくる人里離れた奇妙な場所にある変わった古道具屋、それがいったいどんなものなのか興味があって訪れたのが最初である。ちなみに、ここにやってきて一番最初に抱いた印象は最悪といっていいものだった。何に使うかわからないものであふれかえった少々うす暗い店内、それだけならば変わった店というだけだが、印象が悪いのは店よりむしろその店主だった。香霖堂の主人、森近 霖之助は店内に入ってきたさとりを見て「いらっしゃい」と対応はしたものの、心の中で「やれやれ、また読書の邪魔が入った」と言っているのがさとりの第三の目の力でわかった。これにはさすがにさとりも驚く、客がやってきたのに喜ぶどころか迷惑がるなどどんな了見だろうか。しかもその理由が読書の邪魔になるというものだというのだからなおさらだ。そんなこんなで初見の印象は最悪だったわけだが、話してみるとなかなか面白い相手であることがわかり帰る頃には初見の印象は忘れてしまっていた。
それ以降、さとりは度々店に足を運ぶようになり今ではすっかり香霖堂にやってくる客でない常連の1人である。
「なんか居心地がいいのよね」
自信が持つ相手の心を読むことができる能力のせいでさとりを嫌ったり、気持ち悪がる妖怪や人間が多い中で霖之助はそれはどういった感じなのかとかこういう使い方は出来るのかなど、さとりの能力を気持ち悪がるどころか興味心身といった調子で能力の事を知った後も普通に接してくれていた。そんなところがこの場所を居心地良く感じる理由なのだろう。そう、あの人がいるからこそこの場所はあんなにも心地よいのだ。
「こんにちは、店主さんいる?」
中に入いり店主の姿を探すが姿はなく、代わりに見なれた少女が立っていた。
「さとりじゃないか、どうしたんだこんな所に」
香霖堂の客じゃない常連の一人、普通の魔法使いこと霧雨 魔理沙だ。
「あら魔理沙だけなの? 店主さんは留守?」
「香霖なら奥の方にいるぜ」
そういって魔理沙が店の奥の方を指さすとちょうど探していた相手、森近霖之助が荷物を持って奥から出てきた。
「ん、ああ君かいらっしゃい今日はいつもより少し遅かったじゃないか」
「そう?」
「いつもよりって、こいつそんなによくここに来てるのか?」
「ああ、ほとんど毎日かな」
「……ふ~ん毎日ね」
魔理沙のまるで自分のテリトリーに侵入してきた敵を睨むような、じとーっした視線がさとりの方へと向けられる。さとりはそれに怯むことなく、ここは自分のテリトリーだと主張するかのように魔理沙をにらみ返す。2人の視線がぶつかりあい火花を散らす。お互いに一歩も引こうとはせず、ピリピリとした緊張感が辺りを包むが霖之助はそんなこと気にもせずにカウンターの椅子に座ると読みかけだった本を手に取り読書を始める。
「チャンス!……ていっ」
霖之助が読書をし始めた瞬間、魔理沙が半ば突進するかのような勢いで霖之助の膝の上へと飛び乗った。あまりの勢いに霖之助が「ぐおっ」と苦しそうにするが魔理沙はそんなこと気にも留めず姿勢を整え霖之助の体に背を預ける。霖之助膝を占拠した魔理沙はそのまま勝ち誇ったかのような視線を悟りに向けた。そのまるで「これは私のだぞ」と主張するばかりの魔理沙の態度にさとりはムッとする。
「ま、魔理沙、いきなり何をするんだ」
「んだよ、いいじゃないかこれくらい私たちにとっては普通だろ」
「膝に座ること自体は別に構わない。だが、座るときはもうちょっとゆっくり優しく座ってくれ」
「はいはい分かったよ。そうだ久々にこのまま本を読んでくれよ」
「別に自分で読めばいいじゃないか」
「いいだろ今日はお前に読んでもらいたい気分なんだよ」
まるで見せつけるかのようにさとりの前で霖之助に甘え続ける魔理沙のを見て、さとりは表情自体は普段と変わりないが、内心自身の中にメラメラと怒りが湧き上がるのを感じる。実際、第三の目の力で魔理沙が心の中でこれは私のだぞとかお前にはやらんとか叫んでいるのがわかったし、おまけに内心霖之助もまんざらでもないようだ。むしろこの怒りの原因は後者の方が大きいかもしれない。
「あらあら、まるで大きな子供ねこれじゃ店主さんも大変……あらでも内心まんざらでもな・い・よ・う・ね!」
そう言うさとりの言葉は口調の所々に棘と皮肉が込められていた、特に後半部分。
「何を怒ってんだよさとり。私達にとってはこれくらいいつもの事だぜ」
魔理沙は勝ち誇ったかのような視線でそう言うと、再び霖之助に甘え始める。それを見てさとりは胸の中にモヤモヤしたものがあふれていく。
「……ジロッ!」
「なんで僕を睨むんだ」
「別に……」
そう言っておきながらさとりは霖之助を睨むのを一向にやめようとしない。2人の間にある奇妙な雰囲気とさとりの射殺すかのような視線に霖之助は胃がキリキリ悲鳴を上げるのを感じた。
そんなことがあってから数時間後、魔理沙は用事があるとかで帰ったので店内にはさとりと霖之助の2人きりだ。
「ふぅ、やっと帰ってくれたか。こう長い時間膝の上に座られたらさすがに疲れるよ」
「内心喜んでたくせに。残念だったわね帰っちゃって」
さとりの言葉にはまだどこか棘がある。機嫌は相変わらず斜めのままのようだ。胸の中をモヤモヤしたものが
「別に喜んでなんかいないさ」
「私に嘘をついても無駄なのは知ってるでしょ」
相手の心を読み取る能力、さとりのその能力を思い出して霖之助はため息をついた。
「たしかにやましい気持ちが無かったとはいわないよ。だが、それがわかるなら魔理沙が帰って僕がせいせいしてるのもわかるだろ」
「……まぁ、ね」
霖之助の言う通り確かにやましい気持ちと一緒にやっと静かになった、せいせいしたとも思っているようだ。だがそれを知ってもさとりはまだ胸のモヤモヤが消えない。
「何を怒っているのかわ知らないが読書に戻りたいから静かにしていてくれよ」
「……ねぇ」
「ん、どうかしたかい」
読書を始めた霖之助の目の前に立ち、読み始めたばかりの本を取り上げる。
「あっ、なにをするんだ」
「よいしょっと」
「ちょっ、さとりっ!?」
そのまま、先ほどの魔理沙と同じように霖之助の膝の上に腰を下ろす。
「なっ、なにをしてるんだ君は」
「ちょ、ちょっとどんな感じなのか興味があっただけよ」
「だからって……」
「あら魔理沙はよくて私はダメだと言うの」
「むぅ」
それを言われてはさすがになにも言えないのか霖之助は困り顔で黙る。しかし、自分からやっておいて難だがこれはだいぶ恥ずかしかった。思わず顔が赤くなってしまう。だが、恥ずかしいのはさとりだけでなく霖之助も同じようで頬が少し赤くなっていた。
しかし……
(なんなんだろうこの感じ)
霖之助の胸に当たっている後頭部が彼の胸の鼓動を感じ、背中からは彼の体の感触とぬくもりが伝わってくる。確かに恥ずかしさもあるが、そういったものを感じて恥ずかしさ以上に胸になにか暖かいものが広がっていく。
「悪くないわね」
「は?」
「な、なんでもないわよ」
「どうでもいいが、重いからそろそろどいて欲しいんだ……ごふっ!」
霖之助の脇腹に無言で肘を打ちこむ。脇腹を抑えて苦しそうにしているが知ったことではない。しかし、どいて欲しいからといって他にいいようは無かったのだろうか、いくらなんでも女性に対して重いは無いだろうに。
「レディに重いという言葉はタブー、マナー違反よ。あなたって本当にデリカシーないのね」
「動けない相手に容赦なくひじ打ちを喰らわせるようなのがレディなのかい?」
「そのうえ、結構むっつりなところがあるし」
「誰がむっつりだ」
「さっきだって魔理沙相手にあんなに鼻の下伸ばして」
先ほどの2人の光景を思い出すとまた怒りが込み上げてきた。
「いたたたたたたっ、腕をつねらないでくれ。 なんなんだいったい」
「しらないっ」
この場所が心地よいのは彼が、霖之助がいるから。だが同時に霖之助がいるからこそ胸が苦しくなったり不安になったりもするのだとさとりは感じていた。霖之助がほかの女性と話しているだけでも言い知れぬ不安に押しつぶされそうになるというのに、先ほどの魔理沙とのように中睦まじいところなんて見せられたら自分を抑えられなくなる。
この気持ち、胸のもやもやと痛みは一体何なのだろうか。
幼く見えるがさとりはれっきとした妖怪である。それなりに長い年月を生きてはきたがこんなのは始めてだ。この感情はいったいなんなのだろうか。
「というわけなのよ」
その夜、地霊殿に帰ったさとりは今日会ったこと、自分の中にある何なのかわからない感情の事を妹のこいしに相談した。
「ん~と、それってその店主さんの事を考えるとそうなるんだよね?」
「そうよ」
「店主さんが他の女の人と話したり仲良くしているのを見るとイライラすると?」
「ええ」
イライラだけではなく、とても胸が痛くなり不安が心の中で暴れ回って自分を抑えられなくなりそうなくらいだった。
「そっか、お姉ちゃんにもついにそんな相手が出来たんだね」
「この感情が何なのかわかるの?」
「それは恋だよ、お姉ちゃん」
「恋って……私が?」
確かに霖之助の事を考えると顔が熱くなったり胸が苦しくなったりする、けれどまさか自分が恋だなんて。
「それだけでも恋してる証拠には十分すぎるよ」
「でも、だって……」
実際自分は彼の事をどう思っているのだろうか。確かに少々というか致命的に恋愛観連には鈍いが、とても優しい一面を持ってるし何より一緒にいると楽しくて退屈しない。彼とそんな関係に慣れたら確かにうれしい。
試しにさとりは自分が霖之助と恋仲になった姿を想像する。霖之助と2人で出かけたり、抱き合ったり、そして……。
そこまで考えてさとりの頭がオーバーヒートした。その顔は赤く染まるどころかもはやゆでダコのように真赤だ。
「お姉ちゃんの方はもうだいぶそのひとにお熱みたいね」
「う、うぅぅぅぅ」
「あははっ、お姉ちゃん可愛い。ね、告白するの?」
「こっ、告白!?」
「だって思いを告げなきゃ。もたもたしてたら他の人に取られちゃうかもよ」
それは嫌だ。嫌だがしかし……
「でも断られるかもしれないし」
「お姉ちゃんみたいな美人に告白されて断る人なんていないよ」
「……それに告白って何をすればいいのかわからないし」
「大丈夫だよお姉ちゃん、私が協力してあげるから。 そうだ、どうせならお燐やお空もいたほうがいいよね。 呼んでくるからちょっと待っててね」
「こ、こいしちょっと待って、ってもう行っちゃった……。あの子ったらもう」
気持ちは嬉しいのだが出来ればあまり話を広めないで欲しかった。しかし、実際問題として確かに時間に余裕はない。ライバルは魔理沙だけではなくもっと大勢いるはずなのだから。ライバルに勝つためには早くこの気持ちを彼に伝えるしかない。そしてあの最強クラスの鈍感男に気持を伝えるには告白以外に手は無いのだろうが、しかし告白なんて一体何をすればいいのだろうか。
これまで生きてきた中で恋をしたことなんて一度もないさとりは告白がどういったものかを知らない。いやそもそもよく考えれば告白以前に……
「明日からどんな顔して会いに行けばいいのよ」
ふと、横に置いてあった鏡を覗き込むとそこに映っていたのは地霊殿の主としての自分ではなく、顔を赤くして気まずそうにしている1人の恋する少女の姿だった。
このあとこいしがお空やお燐に2人がまたほかの者にといった感じで話が広まっていき、事は地霊殿全体をあげてさとりの初恋を応援するひと騒動にまで発展するのだが、それはまた別の話。
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え~と、いかがでしたでしょうか。
恐らくさなスイさんの中のさと霖像とだいぶ違ってしまってると思いますが、本当にスイマセン
個人的にはさとり様はクーデレキャラな印象があります(上のSSでそれらしさが全くないんだが…… orz)。今回のSSは実は書いてる途中に何度もストーリーやラストが変わっています(大体20回くらい)。書いていてなんか微妙だなと思ったら少し変えてみてみたいなのを続けてたら案の定、安定していないSSになってしまいましたね。てかどうせなら告白シーンまで書けばよかったかな
正直な話、続きを書くかはわかりません。リクとか要望があったら書くようにするかな。
まあ、書いている間にこのカプがけっこう気に入ってしまったので近いうちにさと霖SSはいくつか書こうかと。
さて、とりあえず今後の予定を少し。来月、新潟東方祭があるので私個人はそれに合わせて無料配布コピー本を作ろうかと考えてます。
内容は……このままでいくとさと霖ですかね。今回のSSの続きではなく、2人がひたすらイチャイチャするようなのか、もしくは霊霖か早霖で何か書こうかと。
とりあえず表紙は狐月さんに頼んだので、頑張ります。(時間があまり無いから間に合わなかったらごめんなさい)
あと、次のここ用のSSは特にリクとかが来てないので、このままリクなければフラ霖か慧音霖で書こうかな……